ご挨拶
理事長挨拶

平成20年は、米国発の金融恐慌、それに引き続く日本の企業業績不振、景気の悪化など、経済・金融の観点からは100年に1度の大混乱の年でした。また、食の安全が脅かされ、さらに年金・医療制度問題を中心に社会保障制度の面でも大きな混乱が見られ、このため国民の不安が増大し、将来に対する希望が持ちにくいと感じられる年でした。さて、平成21年はどのような年になるのでしょうか。世界的な金融の安定化と早期の景気の回復、そして安心して生活のできる社会保障制度が構築されることを期待したいと思います。
次に、敬和会の今年度の医療・介護・保健・福祉への取り組みについて述べたいと思います。
まず、敬和会本部において平成24年までの中長期計画の策定が行なわれ、今期の最初の理事会において承認されました。これによりますと、まず、大分岡病院では、4疾病5事業のうち、救急医療、心臓血管疾患・脳卒中・がん・糖尿病合併症診療に対する充実を図っていきます。東部病院では、消化器疾患診療の充実、健診ドック事業の推進を行ないます。大分豊寿苑は、認知症患者さんの生活をサポートする福祉事業であるグループホーム開設を手がかりに、福祉介護の新たな拠点整備に着手します。これらの事業は、敬和会の今後の大きなステップアップのための種まきであると考えていただきたいと思います。また、事業計画の詳細につきましては、追って各施設での管理者運営会議を経て、現場の皆さん一人一人にまでお知らせする予定です。
さて、近年CSR corporate social responsibility(企業の社会的責任)の重要性がクローズアップされています。CSRとは、一般的に、法令順守と企業倫理の明示、環境問題や労働問題を通じての市民社会の発展など、企業が積極的に果たすべき役割のことを言います。しかし、最近ではその考えをさらに発展させて、企業の法律上、契約上の義務を上回る社会貢献の自主性を企業が有し、同時にそれを業務の一部として取り込むことで、社会の持続的発展を図ることであると考えられるようになっています。
ところで、現在の日本の地域社会の抱える課題として、少子高齢化による過疎化、地域社会の崩壊、若年者の失業、外国人(移民)の増加などがありますが、このような課題をどのように一地域企業としてとらえ、かかわっていくのかが、CSRを展開していく中で求められていると思います。そこで、敬和会の地域社会における社会的責任とは何かを考えるときに、医療や介護事業を展開しているというだけでは、地域社会に貢献しているといえなくなっているように思います。
このため、今後、敬和会で取り組むすべての事業は、医療・介護・福祉事業と社会貢献事業を切り離して考えるのではなく、このCSRの考えに基づいて分け隔てなく展開していきたいと考えています。たとえば、労働問題では、女性の積極的な事業参加への支援、少子高齢化による労働力の減少に対応するための若年者雇用の促進や高い技術や知識を有する外国人労働者の受け入れを進めていく必要があるでしょう。また、ノーマライゼーションの推進による市民社会への貢献として、これまで以上の身体的・知的障害者の積極的な雇用、障害者自立支援のための事業への貢献などを検討していく必要性があります。一方、環境問題では、省エネルギーや二酸化炭素の排出の少ない低炭素社会をめざして、グループ全体で取り組み、環境に与える負荷を軽減する必要があります。そして、さらには地域社会の崩壊については、たとえば鶴崎中心部の空洞化に対して、私たちはどのような取り組みが可能でしょうか。
私たちがこれらのさまざまな問題に積極的に取り組むことで、敬和会はさらに地域においてより深く広く貢献する組織として継続的に受け入れられていくと考えます。敬和会の職員の皆さんには、ぜひとも職員一人一人が社会の一員として、地域社会の継続的な発展のためには自分は何をすれば良いのか、どのように貢献するのかということを考えながら、日々の業務に取り組んでいただきたいと思います。今年一年が、地域にとっても、そして敬和会にとっても充実した一年となりますようお祈りします。
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